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学習塾の選び方

学習塾の選び方

「○○大学、△△高校、□□中学校合格者100名!」や個別徹底指導など、学習塾の宣伝には心つかまれる文言が並んでいますね。 でも、どこも同じような内容なので、正直違いを見つけるのが難しいのではないでしょうか。 そこで、現役学習塾講師が、塾の選び方・通い方を伝授します!     

学習塾を知る

学習塾には大きく分けて、クラスで授業をする塾、個別に授業をする塾、映像で授業をする塾の3種類に分けられます。 それぞれ一長一短ですが、下記の表をご覧いただくと大体の区分がお分かりいただけると思います。

クラス授業 個別授業 映像授業
授業料 個別授業に比べると安い クラス授業に比べると高い 安い~普通(一括納入あり)
講師陣 社員が中心(バイトもあり) 社員もいるがバイトが中心 専門の講師
塾側の目線 生徒が5人でも20人でも1クラスなので利益率が高く、個別より断然理想 生徒が増えた分だけ人件費がかかるため収益率が悪く、授業料をクラス授業より高くしても収益率は悪い 現場で授業の労働はほぼないため、クラス授業より理想。(フランチャイズの可能性も)
長所 ある一定水準の授業が受けられ、疑問点はその場で質問できる。 自分オリジナルの授業スピードが可能。(先生の指導能力次第で、その場で疑問点も解決できる場合もある) わからない場所はもう一度見ることが可能。自分のスピードで学習できる。
短所 一人の講師が受け持つ生徒が多いため、フォローや欠席補講が行われないケースもある。 担当する講師によってかなりの差がある。また、完全個別でない場合、一緒に受講する相手との時間配分も問題になりやすい。 基本は一方通行になるため、半分以上寝ていたなんてこともあり得る。また、中学生までしか指導できない塾が導入しているケースもあり、授業とは関係のない学校の質問や、定期考査の際の質問ができない可能性がある。

塾の対応は親で変わる?

残念ながら塾は学校とは違い、塾生全員に平等ではありません。クラス授業、個別授業にかかわらず、 塾の合格実績になる生徒や、しっかりと質問してくる生徒に力を入れがちです。そして、それ以外に特に力を入れる生徒が、 親がしっかりとしている生徒です。ここでの”しっかりとしている”とは、子どもと塾をしっかりと意識しているということです。 では、しっかりとしている親になるためにするべきことを、具体的に確認していきましょう。

塾を選ぶ時に確認すること

担当する講師は社員なのか、アルバイトなのか

社員がアルバイトより優れているとは必ずしも言えません。しかし、基本的には責任感や会社からの評価に対して敏感なのは社員です。またアルバイトの場合、保護者を安心させるために「研修をしているので大丈夫」という回答をしてくる塾が多いと思います。その場合に、さらに「研修の頻度はどれくらいなのか」、「アルバイト講師に進路の相談はできるのか」、「教科別でしっかりと研修されているのか」といった部分まで踏み込んで聞くようにしましょう。 一部の学習塾では、入社時の研修後ほとんど研修をしていないケースがあります。

教材はオリジナルテキストなのか業者本なのか

このセリフを入塾時に聞かれると、塾としては熱心な親なのではないかとフラグが立ちます。 実は学習塾にとって教材費は大きな収入源の一つです。ほとんどの塾が業者本を使用していますが、その金額はおおむね1,000円~1,500円ほどです。しかし教材費の請求は大体5,000円~10,000円と高額で、その差額が塾の収入になっています。オリジナルテキストを制作するには莫大な作業とコストがかかり、大手学習塾でも最近は業者本が多くなっています。 業者本を利用していて、教材費が2000円を超える場合は、その内訳についても聞いてみましょう。 補助プリント代などの回答が一般的模範解答だと思います。残念ながら、その差額の返金はされませんが、聞くこと(塾がしっかりとした保護者だと思うこと)がポイントです。 学習塾用大手出版社としては、育伸社・教育開発出版・エデュケーショナルネットワークなどがあります。ネット検索でそれぞれのテキストを確認してみると、業者本なのかを確認することもできます。

欠席補講やテスト対策授業はあるのか

最近の学習塾はほとんどが欠席補講やテスト対策授業を行っています。 しかし現状は、複数の学年を1つの教室にまとめて、それぞれにさらっと説明する欠席補講や、教室で自習させるだけのテスト対策授業が横行しています。 「わからないところを説明します」というフレーズは、親身になってくれていると感じやすいですが、実際には発言力のある生徒に指導が偏り、自ら発言することが苦手な生徒は聞きたくても聞けずに終わる可能性が高いです。 欠席補講はどのような形態なのか、テスト対策は対策プリントや予想問題のプリントが出るのかどうかも突っ込んで聞いてみましょう。

個人情報の取得をするのか

学習塾にとって、生徒の兄弟姉妹は魅力的な存在です。弟妹の授業料を半額にするなどして囲い込みを行うのは基本ですが、そういった情報を収集することも大事な作業です。 近年個人情報の取り扱いが厳しくなり、また個人情報に対する意識が高くなってきたこともあり、 比較的危機感のない生徒本人に塾内で家庭の情報を聞き取るケースも多くなっています。 家族構成はもちろん、親の勤務先など必要なのか疑問に思う内容の聞き取りもあります。 入塾の際どのようなアンケートを行いその中に個人情報がどの程度含まれているのかも事前に確認しましょう。 また、不要と思う項目は何のために情報収集するのか質問するのもいいかもしれません。

授業の参観が可能なのか

学習塾は、金銭を支払う人とサービスを受ける人が基本的に違うという特殊な産業です。そこで、どのような授業(サービス)が提供されているのかを事前に確認することは大事なことです。 しかし、この質問はあくまでも塾の姿勢を確認するものだと思ってください。年頃のお子さんにとって、親が塾の授業まで参観することを望む可能性は低いです。 この質問で、参観してもいいという塾は、指導水準にある程度の自信があるということになります。また、だめだという塾は指導の品質に問題がある可能性があります。 だめな塾の断り文句には「ほかの生徒さんがいるので、、、」というものが多いと思われます。

無料体験授業はあるか

「○○さんとこの△△ちゃんは、◆◆塾で☆☆高校に合格したらしい」といったうわさや知り合いの成績は、塾を決める大きな要素になります。しかし、残念ながらその塾に通ったからと言って、同じ成果が得られるとは限りません。 なので、事前に体験授業で塾の雰囲気や先生との相性などを確認しておく必要があります。 また、体験授業中や体験授業終了後に入塾するよう執拗に勧誘する塾もあります。少なくとも体験授業期間中に入塾を勧誘することが無いように事前に確認しておきましょう。 なお、体験授業後に月の途中から入塾した場合、さかのぼって授業料を請求する塾もあります。授業料の請求を確認して、もしそうならば、「来月から入塾すると思います」と言ってみましょう。おそらく、「今月はサービスでいいです」という返答が返ってきます。

授業料はいくらか

学習塾の授業料は、携帯電話のように複雑になっている場合が多いです。授業料は安くても、教材費、施設費、諸経費、冷暖房費、模擬試験料など様々な別途費用が加算され、思っていた金額より高くなることも少なくありません。 複数の塾で授業料を比較する場合は、授業料だけではなく、総支払額を比較する必要があるので、塾から資料をもらう際にはその部分も聞くようにしましょう。

授業料納入は月単位か

塾の授業料は月単位のイメージですが、最近は3カ月毎に3カ月分前払いというケースも多くなってきています。さらに、支払った期間の途中で退塾した場合は、一部を違約金として差し引いて返金するという手法です。 事務作業の効率化が表向きの理由ですが、これには塾側の真の狙いが2つあります。1点目はもちろん、年度途中で退塾する生徒を減らすことです。退塾するといった生徒でも、説得や手厚いサーポートの猶予期間が多く取れます。 そして、2点目は合格者の早期退塾の防止です。3カ月単位の最終分は、1月から3月になります。推薦、専願やAOなどで1月に合格が決まる場合、ほとんどが退塾してしまうため塾としては大きな収入減となります。 入塾前に、授業料納入が月単位か確認しましょう。また、3カ月など複数月単位の納入でも月単位に変えてくれる塾がほとんどですので、その部分も交渉しましょう。

入塾後に確認すること

成績・宿題のチェック

子どもの成績の推移(変化)に関して、しっかりと塾に意見と対策を求めることはとても大事です。 定期考査が終わり面談を実施する塾もありますが、そうでない場合でも、電話などで現状と次に向けてどのような対応をしてくれるのかを確認しましょう。 次の定期考査までの期間が長い場合もありますので、聞いた内容は必ずその場でメモにし、次回のテスト後に答え合わせができるようにしましょう。 また、一部の学習塾では講習前の模試を難しくして、講習後の模試を簡単にすることで講習の成果をアピールするという手法がありますので、 模試だけではなく、しっかりと定期考査で点数が取れるような指導を希望するよう伝えましょう。

授業進度のチェック

多くの塾は、学校の授業進度を参考に授業進度を決めています。理想は塾が学校の進度より少し先に進んで、学校の授業で復習する形がいいでしょう。   ただし、小学6年・中学3年・高校3年の受験年度の生徒は、学校の進度では後半に習う分野の受験対策が手薄になってしまうので、概ね10月中にはすべての内容が終了する進度で   指導するよう求める必要があります。受験年度の場合は、いつごろ全内容が終了するのかも事前に確認しておきましょう。